2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧
これまでみてきたように、親と子どもの愛着関係のかたちが、その人の世界観、自己イメージを形成し、その後の思考や行動のパターン、対人関係、親密関係のひな形になります。 ですから、子どもにとって親(特定の養育者)との愛着関係がとても重要であること…
<愛着関係と子どもの心身の発達> 自分にとって最重要な他者である親(養育者)が、自分の欲求に一貫して応えてくれる経験によって、子どもは何を得るのでしょう。そして、愛着関係は、子どもの心身の発達にどうかかわっているのでしょう。 まずは、他者を…
愛着とは、「特定の対象との情緒的な絆」のことです。それは、親(養育者)と子どもの相互関係によって形成される適応のかたちで、それ自体が人を動かす基本的な欲求です。 人とかかわり、親しさや安心感、安全を求め、呼びかけ合い応答し合うという関係性は…
<知るだけでは「再学習」にはならない> 認知行動療法における「再学習」とは、単に頭で理解することではありません。 さまざまな本を読んだりセミナーを受けてみたものの、「その時には分かったつもりになったけれど、実際には自分のスキーマや習慣化した…
認知行動療法には「セルフ・モニタリング(自己観察)」というスキルがあります。 このスキルを使うと、何らかの出来事をめぐって自分が経験する「認知」「感情」「身体」「行動」を観察し、自分の習慣化したパターンを可視化することができます。 「観察でき…
アーロン・ベックは、何らかの出来事が起こる→「体系的な推論の誤り」が起動→「自動思考」が頭に浮かぶ→落ち込む、というプロセスで、個人がうつ状態に陥ることを、以下の認知モデルで説明しました。 「自動思考」は、瞬間的に頭に浮かび、自分にとっては「…
<自動思考>って何? この”友だちが時計をちらっと見た”エピソードで、前者の頭に浮かんだ考え(「私と話していても退屈なんだ」)のように、ある状況で「自動的に、瞬間的に頭の中に湧き起こってくる考え」を「自動思考」といいます。 「自動思考」は、自…
私たちは頭で考え、心で感じ、体を使って行動し、毎日を生きています。 認知行動療法は、人の「認知」「感情」「行動」「身体」という、互いに影響し合う一連のシステムに注目し、介入することで、変化を起こすことを目的とした心理療法です。 自己イメージ…
これまでみてきた理由によって、感情を押さえつけたり、見ないようにすることが習慣化していると、自分の気持ちが分からなくなることがあります。 何かあった時に「こんな時どう感じるべきなのか…」とつぶやいたことはないでしょうか。 また、ネガティブな感…
これをしていると楽しい、ここにいると安心する、あの人のそばにいるとイライラする…感情は、自分にとってその状況がどういうものかを教えてくれます。 たとえば、「怖い」という感情、「怒り」という感情がなかったら…私たちは危険な状況、理不尽な状況から…
人は呼吸をしないと死にます。呼吸は、息を吸うことによって酸素が肺に取り込まれ、血液とともに体中に運ばれ、肺に集まった二酸化炭素が呼気とともに体の外に出て行く、そして、また新たな酸素を取り込むという連続的な活動です。 呼吸は自律神経系の中で唯…
子どもの頃の親との関係が「ここからは私の領域」という感覚の土台を作ります。 親が子どもの欲求や感情を否定せずに受けとめていくことによって、子どもは「自分なりの感情や欲求を持つことは許されている」「親の期待通りの自分でなくても、親にノーと言っ…
誰にでも「ここからは私の領域。土足で踏み込まれたくない」というラインがあります。 境界(boundary)は、「私を他の誰ともちがう独立した存在としてかたちづくり、他者の侵害を許さない」領域、「自分らしさ」をかたちづくる自分の輪郭です。 境界には、…
メンタルヘルス分野で働く夜型人間が、眠れない夜に、 心理学について綴ります。 かつて子どもだったあなたに。 自分を大切にしたいあなたに。 子育てをしているあなたに。 すべての子どもを守りたいあなたに。 そのための情報を綴っていきます。